地球を生きる子どもたち。
浦添市美術館で開催されている写真展「地球を生きる子どもたち」を観にゆきました。
19世紀後半から現在まで、200名余りの写真家が記録した世界中の子どもたちの写真を10部門に分け、259点展示しています。
会場にはカップルと家族連れが多く、子どもに写真の説明をする親の姿が目立ちました。
大人に囲まれ働く子ども。こぼれんばかりの笑顔の孤児。防毒マスクを装着し戦時訓練する子どもたち。虐殺された死体の傍をひとり歩く少年。虚ろな瞳の瀕死の赤ちゃん。繁栄を願う麻の葉模様の産着にくるまれた新生児たち。金網の向こうの子ども。
どれも作り物ではない、子どもたちの現実です。
なぜ? なぜ?と問い掛けてくる写真の中の子どもたちの前で、答えを見つけきれないわたしは途方に暮れてしまいました。
20世紀は「戦争の世紀」と言われましたが、21世紀に入った今も、世界中のあちこちで紛争は絶えず、争う大人たちの間で大勢の子どもたちが犠牲になっています。
また、グローバリゼーションの波が押し寄せる中、富める者と貧しい者の圧倒的な格差の皺寄せは貧困、飢餓、孤児と云う深刻な問題となって子どもたちを苦しめています。
怒り、悲しみ、絶望、怖れ、諦め、子どもたちの瞳に浮かぶ様々な苦しみ。
主催者は開催にあたって「子どもたちに笑顔と希望をとりもどすために」と題し、「これらの写真は、子どものおかれた状況や歴史の真実を見つめることを教えてくれるだけでなく、現実から目をそむけない勇気を与えてくれると確信しています。」と記しています。
誰しも生まれる世界を選べません。
でも、みんなしあわせに生きるために生まれてきたはず。
この子たちの苦しみが希望に変わるように、わたしたち大人はあらゆる知恵と愛を持って接しなければ。
胸に苦しいものが残る、しかし、未来を担う子どもたちに何が出来るか、何をするべきかを考えさせられる意義の有る写真展でした。
子どもは生命
子どもは夢
子どもは希望
子どもは幸福
子どもは鏡
子どもは未来
そして。
子どもは宝。
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